「ほくとくん」は始めから「ほくとくん」だった。譲渡会でその名前を見た時には、猫につける名前としてはずいぶんと変わった名前だなあと感じた(そうでもないかな?)。どちらかと言えば、猫の名前というよりは、人間の名前のような雰囲気があった。ほくとくんは、他にもたくさんいる猫の中で一際目を引いた。他の猫がすっかり眠っているのに対して、ほくとくんは近くの猫と遊びながら、時折、遠くを見つめ、ぼーっと考え事をしているような表情をしていた。一目見て、穏やかでのんびりした猫だなあと感じた。係の人に、「どうして『ほくと』という名前なんですか?」と聞くと、ほくとくんを庭で保護した人が、ほくとくんの背中の模様を見て、それが北斗七星に見えたからつけたと教えてくれた。北斗七星ってこんなんだっけ?と思ったが、その名前の由来が面白くて、それが、ほくとくんを気に入った理由の一つだったかもしれない。後日、担当の方に連絡を取り、ほくとくんを引き取ることになるのだが、「名前はそちらで自由に決めていいですよ」と言われた。最初の一週間は、飼うかどうかを決めるための一週間だったので、そのまま「ほくと」として一緒に暮らし始めた。前回の「子猫時代のほくとくん、我が家へやって来た日。」、という記事がそのときのものだ。
 一週間一緒に暮らしてみて、名前をどうするか、と妻と話し合ったときに、「ほくと」のままでよいのでは、ということになった。その時はまだ違和感があったけれど、今ではその名前にして良かったと感じている。どうだろうか。「ほくと」とは猫につけるには、少し変わった名前だろうか。そう言えば、姉弟がおり、お姉ちゃんの猫は、「シャーロット」という名前になったと聞いた。「ほくと」も「シャーロット」と名付けられる可能性もあったのかもしれない。でも、ほくとはほくとでしかあり得ない。呼び名の変遷も面白い。はじめは「ほくと」だったけれど、だんだん、「ほくちん」とか「ホキ」とか遂には「ポチ」とも呼ぶようになった。結果、現在は「ポキ」で落ち着いている。家ではすっかり「ポキ」だけど、動物病院では漢字でしっかり「北斗」と書いている。ほくとくんは今日も、家で「ポキ〜」と呼ばれている。そう言えばスーパーの鮮魚売り場に「ポキ丼」なるPOPが掲げてあったときは、笑った。「ポキどん」と呼ぶこともある。なにはともあれ、今日も彼は、のんびりと生きていく。

我が家に来て2日目のほくとくん。小さかったなあ。

背中はこんな感じだった。北斗七星?

投稿者

pokilog

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